にいかっぷ新聞【けいば部】の牧場めぐりはまだ先。
馬産地は日本競馬の礎を築くベースとなる土地。馬産地の消滅は、すなわち日本競馬の消滅と言っても言い過ぎではないだろう。
基本的に牧場内に僕のような一般の人間が立ち入ること事態が特別なこと。
由緒ある神社仏閣でも一般開放されてない場所があるのと同じ。企業が生産工場の内部を公開することなど稀だろう。
馬産を支える牧場や種馬場とて同じ事。
それでも中に入れてもらえることがある。
牧柵の向こう側に広がる世界は別世界。いつも厳粛な気持ちにさせられる。
ビッグレッドファームのゴールドシップ。近年これほどまでに競馬ファンに愛された馬はいないのではないだろうか。
ドラマ作りの天才でもあった。本馬の現役時代は、競馬記者やライターもネタには困らなかっただろう。
ただ、サラブレッドが愛されるためには速く走らなければならないし、強く他を圧倒し、なぎ倒していかなければならない。
ゴールドシップは瞬間の加速性能や終いの上がり性能に関していえば、一線級の他馬に譲るところもあっただろう。
しかしながら、強靭な胸前とそのボリューム。しなやかな脚のおくりは、本当に素晴らしかった。コーナーを捲りにいく時の迫力たるや…勝つときはとてつもなく強かった。
そんなゴールドシップの馬体の説得力は、今もなお健在。
新冠町民、うん。新冠町のビッグレッドファームにゴールドシップが暮らしていることを誇りに思う。
産駒の走りが今から楽しみでならない。